剣道三倍段、なぎなた九倍段などという言葉を皆さんも耳にすることが
あると思いますが、剣道と対戦するには空手や柔道のような素手でやる武
道は三倍の段位で互角に戦える。つまり剣道初段なら空手は三段の実力が
ないと互角に戦えないというような意味のようです。まあこれには剣道家
の皆さんはすごく違和感を感じることと思います。なぜかというと実際に
戦ったことがないので、実感がないからです。また実際に戦ったら危ない
だろうなあというのが正直な感想です。戦うことにあまり意味も感じませ
んが。笑。
剣道三倍段というのは剣道家が、決して剣道が空手に比べて強いという
ことを言ってるのではなく、空手家の方々が修行するうえで得物、つまり
いわゆる武器を持っているものに対して、ナイフのようなものでも決して
侮ってはいけない。空手初段であれば得物を持つ相手は三倍の段位を有す
る三段と思い対戦しなさいという教えであるということです。もともと空
手は武器も扱う総合武術であり、琉球古武術などでは、棒、ヌンチャク、
サイ、トンファー、二丁鎌、鉄甲、ティンベー、スルジンといった八つの
武器を取り扱う武術です。私はどんな武器かはよくわからないですが、剣
なども取り扱うこともします。琉球の農民が兵士、武士からの攻撃から身
を守るため、素手や農機具を武器として戦い身を守るための武術であり、
臨機応変を主とした武術である。そのため関節技なども一部伝わっている
とも聞きます。それが競技として沖縄から普及するときに、本土には剣術、
柔術といった日本古来の武道がある為、競技として普及するためには、基
本、空手は打撃を主とした徒手競技として普及させたということを聞いた
ことがあります。剣道三倍段という言葉は、空手家の師範が弟子に対して
修行の心得として言った言葉であるということです。ただ言葉だけが独り
歩きして伝わっている。まあ面白い話です。剣道家は冗談半分で剣道は三
倍段で強いんだぞなんて言ってみたりもしますが、なんだか笑ってしまい
ます。間合いの近い順番で武道、武術を挙げるとしたなら柔道、空手、剣
道、なぎなた(やり)、弓道、砲術(拳銃)といった順番でしょうか。これらは
間合いや持っている武器によって戦うものであり、それは生死をかけた実
戦ならすべての武術を身に着けていることが一番であるわけであるし、当
然、遠い間合いからの攻撃のほうが有利であることは言うまでもない。そ
の昔、強者がいると聞くと道場破りと称して異種格闘技戦は日常的に行わ
れていた時代もあったようですが、現代において、そんな時間も金もある
わけがない。真面目に対戦したら、大怪我もしくは命を落としかねない。
どれかに特化して武術を危険のない競技武道として安全に楽しむことがよ
いのであり、それぞれにチャンピオンがいて武道を懐の深いものにしてい
ると思う。ただ剣道家としては剣道こそが、武士道精神の根源であるはず
だと信じたいし、勝手に思いこんで自負することは個人の自由ではないか
と思うので、他競技の皆さん悪しからず。笑笑。
PS 確か剣道三倍段は昔流行ったアニメ「空手バカ一代」で空手師範の大
山倍達先生の言葉だったと思います。まあ、確かに素手と剣では段で
言えば三倍段程度の差になるとは思いますので、あながち間違いでは
ないと思います。面白いと思った方は高評価、チャンネル登録をお願
いします。Youtubeではありません。念のため。笑。